不正問題で揺れる日本のモノづくり、その原因は?
今日(7/7)の日経新聞から、連日の話題になっていますです。
日本のモノづくり文化に一石を投じる大きな問題です。
昨今の新聞紙面を賑わせている三菱電機の不正検査問題は、あらましが新聞紙面に多々露出しているので詳細は不要かもしれませんが、三菱電機が強いセグメントである鉄道車両向け機器における問題で、顧客との取り交わしを無視した独自の検査を自己判断で35年以上継続していたと言う検査内容改ざんです。
これまでにも多くの会社で露呈した問題であり、
三菱電機でも またやったか…
そんな受け取り方です。
直近では日産自動車の検査無資格者による検査断行
→ 言い分は、資格が無くても的確な判断はできる
→ ISO認証企業の視点からはNG、でもそれ以前は当たり前?
神戸製鋼の検査結果(検査証明書)の改ざん
→ 顧客が納得していればとの「特別採用(トクサイ)」での容認
→ トクサイ なんて、どこの企業でもやっています!
三菱電機は既に常習犯であり、
→ 2018年 子会社での仕様不適合ゴムの出荷
2019年 子会社での強度不測の鋳鉄製品出荷
2020年 半導体を規格通りの検査をせず出荷
欧州現地基準を満たさない車載ラジオ受信機を出荷
2021年 安全認証を受けない樹脂を使用した電気制御部品の出荷
こう言った背景を加味すると、いわゆる「現状規格」に対するルール通りには出荷はできないと言えるように思います。日経新聞では、3つの視点を指摘しています。
・品質への過信
→ 不正問題での社長コメントは常に「安全には問題ありません!」
→ 逆に言えば、「現状のやり方で問題ないので心配しないで」
→ 顧客からの検査や規格は「的外れでは?」、そう言っている。
・組織防衛風土
→ 社内の本質を、監査と言って入ってきた外部の人に
全てを見せる、正直に話す人がどれほどいるのか?
→ 指摘されたら嘘は付けないので言うかもしれないけれど
自分からどの程度積極的に話すかですね? 言うかな?
→ もし言ってしまったら、どこの会社でも袋叩きです。
・工場の老朽化
→ 設備が古いので人員に負担がかかり、顧客の言うことを
真に受けてやっていられない現実、現場の本音、
→ 顧客交渉(規格を決める)する人と物を作る人は別、
作る側が納得できずにモノづくりをすればどうなるのか?
これらを鑑みて思うに、
日本の会社でなくても、(世界中)どこでもやっている現実では?
その事実が外に出るかでないか、その違いだけが不正問題でたたかれる企業とそうでない企業の差でしかない?
モノづくりにどこまで本音を織り込めるか、それだけではないのか?
顧客が言っていることが的外れな規格要求で、製造側は 「それは合理的ではない、仕様変更すべきでは?」、「変更案をこう考えるが受け入れてもらえないのか?」、その話し合いが不足しているだけのように思います。
メーカーが製品を顧客にオファーする場合、顧客が的外れなオーバースペックを主張、あり得ない規格要求する場合は少なくありません(実体験から)。勿論、議論の末に必要だと判断したら受け入れる(特に安全関連の仕様)
→ 顧客と約束したら大変でも絶対にやる、
その大変な事態になったことは規格を決めた本人が
現場に納得してもらえるようにしっかり説明する。
でも、そうでない場合はその必要が無いことを顧客に理解してもらい、規格を見直してもらう、その作業を抜きにして現場に押し付けるから、現場に手抜きをされてしまう、検査を仕様通りにしてもらえないわけです。
→ 問題の根幹に現場が納得していない事実もあるように思います。
結論として、コミュニケーション不足 だと言うことです!
顧客の言うことが全てでは無く(的外れな場合は議論する)、作る側も納得できるように話し合うべきで、その結果決まったことは実直にやる、周りを説得してやらせる!
現代人は議論する、話し合う習慣を減らしており(ネット社会の問題)、それが昔から今の中で変わっていく文化に追従できていないことが大きな問題だと感じています。
でも最後に、検査結果の改残はだめです!
約束したのであればやるのが 道理 です!
→ できないことは約束しない!
2021年07月06日 17:20
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