認知行動療法

『認知行動療法』 を学ぶ機会がありました。
認知行動療法には大きく2つの学派があります。ひとつはアメリカの臨床心理学者Albert Ellis の提唱する『論理療法』からの流れで、心理学系、カウンセラー寄りです。
REBT:Rational emotive behavior therapy
心理的問題は、出来事そのものの影響ではなく、
その出来事をどのように受け取ったかという認知を媒介とし
論理的(rational)な思考が心理的に影響すると説いています。
出来事(A)、ビリーフ(Belief)、結果(Conclusion)のビリーフ(B)の
非合理的なIrrational Beliefを再構成するという、ABC理論を特徴としています。
筑波大学のカウンセリング心理学コースの創設者と言える國分康孝先生の師匠がAlbert Elis です。従って筑波大学の心理学はこの流れとも言えます。
その後にもうひとつの流れができました。受講した講義の根幹は、Aaron Beck が提唱する『認知療法』です。Beckの考え方は精神医療の流れであり、公認心理士や臨床心理士の治療はこちら側になります。
うつ病患者に特徴した精神的な治療方法として、悲観的な思考を持つことがあり、これを『認知の歪み』と捉え、修正する新たな治療的アプローチとして提案されました。
教科書的に言うと、
Albert Elisの『論理療法』とAaron Beck の『認知療法』を
総称して『認知行動療法』と定義されています。
CBT:Cognitive Behavior Therapy
大野先生系列の認知行動療法に関する詳細技法は下記サイトから拾うことができます。
こころのスキルアップ・トレーニング
日本では厚生労働省がまとめるマニュアルが完備されており、45分(30~50分)を16回(週一で16週)、定型フォームに基づき実施されているとのことです。国内にはこのスーパーバイズできるのはたった5名しかいないとのことです。
そういった多くの課題がある現状、CBTの普及はなかなか進みにくいようです。CBTを習得するには手間と時間がかかること、加えて教育コストが極めて高いこと、その割に診療ポイントが低いことが従来からの課題と言えます。
これら公開サイトから情報を拾って勉強できますが、とは言え、ある程度の慣れが必要とされます。
2022年08月23日 10:37
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