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自己概念の揺らぎ

190525_Kyoto_2019
自己概念の揺らぎ
 
昨日(5/25),JCDA山梨地区会活動の一環として,新規会員のピアトレーニングと懇親会がありました.ピアトレは今年2回目, ピアファシリテーター有資格者,JCDA_西関東支部顧問の下田英樹氏が講師としてわざわざ岡山から教えに来てくださいました(感謝).
 
今回のピアトレは密度が濃く,真剣勝負の4時間(疲),大変勉強になりました.その内容詳細は守秘義務があって書けませんが,ファシリテーターが説明してくれた,『自己概念の揺らぎ』がとてもしっくり来た(腹落ちした)のでご紹介したいと思います.
 
『自己概念の揺らぎは』 についてはJCDA会長の立野了嗣が【CDA友の会】会長便り:第31回 「自己概念の揺らぎ」で述べられているフレームワークです.昨日のピアトレでは,このフレームワークに当てはまる討議が成されたので,これまでになく白熱したと言うことです.
 
 人は自己概念に揺らぎが出る時に苦しむ!
  → この揺らぎは見たくない自分を見てしまうと言うことです.
 
ちょうど今リメイクされた『白い巨塔』である場面が重なったので,その部分から説明したいと思います.
 
白い巨塔の原作を読まれた方は多いと思います.山崎豊子さんの代表作の一つです.国立大学講座制に伴う大学病院の組織の在り様と医療裁判を取り扱った,実にリアルな内容で(半分は本当?)何回見てもハラハラします!
 
ドラマ終盤で主人公の財前五郎は医療裁判で裁かれます.手術を担当した患者の死に際して医療ミスを指摘され,その証言に立つ里見脩二(財前の同僚)は財前の医者としての倫理観について激しく糾弾します.これによって里見は浪速大学病院を追われることになります.対して,証言の立場的に厳しい,正直に証言することを許されない財前第一外科の柳原雅博医局員は,財前教授に偽証を強制されます.診断書も修正しなければならないジレンマに追い込まれます.
 → 最後は罪悪感に勝てず,真実を述べるのですが...
 
この柳原医局員が体験した,自身の信じるところ,これは医者として自身が思い描くあるべき姿であり,医療倫理に基づくところでしょうか? それを自身として維持しきれないところで精神的に追い込まれていくわけです.
 
柳原医局員の自己概念: 医者としてのあるべき倫理観
 → 救えた命を大学病院の権力が故に救えなかった.このあってはいけない事実を認識しているものの,
   対外的には認めてはいけない,嘘の証言をしなければならない.
 
この状況こそ,まさに自己概念が揺らいでいる瞬間だと思います.自己概念が揺らがなければ,正直に財前教授の医療指示を,事実に基づき説明すればいいのですが,それができない! 事実に基づく説明をすると財前教授の立場,強いては浪速大学病院の看板に傷をつけることになります.
 
柳沢医局員は一審で偽証を強いられ,自己嫌悪間に襲われ,最終的人はその罪悪感から真実を述べるに至ります.
 → その間の心の中での葛藤は自己概念があるが故に揺れる自分,
   自己概念を貫徹できないところに人が人として生きていくことの難しさがあるのです!
 
これは何も医者の世界に限った話ではありません.どこの会社でも,あってはいけない法令違反や,お金の横領が無くならないのは,当人の責任もあるのでしょうが,外部からの圧力,特に組織における上位者からの半強制的な指示によるものだと思います.倫理観の低い上司の下で働かざるを得ない場合に起こる状況でしょうか?
 
正義感が強い人間であるほど,倫理観を欠如した上司の指示や理不尽な扱いに対して,
 
 『それは違います,間違っていませんか?』
 
が言えない場合が多き,それに悩まされてしまうわけです.そのはざまで自己概念が揺らいでしまうことになります.
 
この自己概念に揺らぎこそが,ヒトを追い込む,メンタル的につぶされてしまう組織が持つ大きな問題のひとつだと思っています.個人業ではそれが少ないですが,組織として人が集まると絶対に起こってしまう問題だと思います.
 
 人は権力を持つと,その権力で権力に従わざるを得ない人に
    自己概念に沿わないことをやらせてしまうと言うことです!
 
カウンセリングは,この自己概念の揺らぎにどう対処するか?
これが新たに生まれた命題であり,永遠のテーマでもあるわけです.
 
自分自身に当てはめても,そういった自己概念が揺らいだ経験は数知れずあるわけで,
 
『それがサラリーマンだろ?』
 
と言われてしまうと,それで終わりですが,簡単に割り切れない,大きな問題でもあるわけです.
 
 組織を離れる勇気が無ければできないことが
  自己概念を貫くことなのかもしれませんね!
 
 
2019年05月26日 13:05

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