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家族心理学、システミックアプローチ

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家族心理学、システミックアプローチ

家族の有り様は個人の有り様の単純積算では説明できない、
グループ全体の問題として捉える必要があります。
これはポジティブな側面を想像しがちですが、
必ずしもそうではなく、家族に引っ張られる過去のしがらみなど
ネガティブな一面も多分に含まれており、
これを心理学的なシステマチックな理解から取り上げるのが
『家族カウンセリング』という捉え方です。
 
心理学が対象とする悩みや問題の80%以上が家族などの
人間関係に関わるものだとも言われています。
 
日本における殺人事件の約半分は
家族や親族間で生じている事実もあります(驚)。

家族全員のカウンセリングは、元来はタブーとされていたそうです。
クライエントの中の家族でなければならないとの捉え方が、
旧来的な考え合方に根強く残っていたからです。
この考え方が変わってきたと言うことです。

家族を心理学的に扱う場合、心理学全体ではマイナーな
システム論を使うことが主流になっています。
 
家族システム理論
家族を一つのシステムと捉え、特定個人を対象にするのではなく、
システムを対象に心理療法を行おうとするもの、
問題の捉え方をシステム論的にすることであり、
物事を相互影響関係の中で捉えると言うこと。


家族の捉え方は諸説あります。
 
一般的には、家族の根幹は『夫婦』から始まります。
 → 家族とは夫婦とその血縁関係を中心とする集団

従って,家族は結婚から始まり,連れ添いがいなくなる
死別,離婚,この段階を経て終わるようですが、
これに先立つ親から独立した成人期から始まるとされます。
家族には6段階あり、個々の段階で発達課題を抱えています。

第一段階:若い大人の時期(独立した成人)
     親家族からの独立による心理的・経済的自立期
 
第二段階 新婚期(結婚~子供誕生前)
  夫婦双方がそれぞれ出生家族から物理的・心理的自立
  ひとつの統合体として夫婦システム(相互適用性)を構築していく.
   → 家族システムへの子供による影響は大きいのですが、
スタート地点である家族の根幹はやはり夫婦にあります。

第三段階 出産期,育児時期(子供が学童期)
第四段階 青年期の子供がいる時期(子供が思春期,自立への援助)
第五段階 子供が巣立つ時期、家族を夫婦二人システムに再構築する必要性
 
家族は発達して変わっていくものであり、各々の時期に発達課題を持っています。
家族形成以降の中核は子供に移りますが、
子供も親元を離れていくので、いずれは夫婦二人に戻ります。
 
これら個々の発達段階で達成すべき発達課題がありますが、
達成されずに積み残されてしまうと、
次の段階で取り組むべき課題が大きくなりすぎ、
システム全体で支障をきたす場合がある、それが家族としての問題です。
→ 引きこもり問題、第四段階から第五段階にうまく移行できない、
ここで家族としてのシステム障害が起こり、8050問題に派生します。
 
第六段階 老年期の夫婦、配偶者の死に遭遇する時期

配偶者がいなくなるとその人の家族は終わりを迎えます。
最近はこの終わり方が死別に加えて熟年離婚という形態も加わり、
個人に戻って長い単身生活を過ごす期間が増える人も少なくなく、
高齢者の引きこもりや孤独死と言った新たな問題に派生しています。

 昔は一般的だったサザエさんの磯野家、3世代の7人家族
 令和の時代ではほとんど見られない家族構成になっています。
 サザエさんの家族は典型的な家族の発達段階を再現しているように思いました。
 ただ、家族の有り様も時代で大きく変わっており、
その変化が個人の心理状況にも影響していることはあるように思います。

自身の人生もいよいよ後半戦であり、
結婚から30年以上を経て家族の有り様も大きく変わりました。
家族心理学なるもの、真剣に勉強しておく必要性を感じています(笑)。

 
2021年05月22日 10:35

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