企業理念の実践と現実のギャップ
日経新聞の私の履歴書は、いわゆる人生の成功者が過去を振り返る自伝みたいなもので、そこには一般図書には記載されにくい失敗談や自身の中にあった過去の葛藤等、貴重な経験談が語られています。なので、このコラムは毎回楽しみに読んでいるので日経新聞を読み続けて30年以上になりますが、定期購読が切れることはないわけです。
今月のコラム執筆者はモンベル創設者の辰野勇氏、自分がかつての山登りが趣味であったこともあり特に興味を持ちつつ読み進められます。実は大学1年生の時に、ワンゲルに入って最初に購入したシュラフが、なんと、モンベル製だったことも思い出しました。今でこそですが、これも山に関わるご縁かと思います。なんと言っても人間は興味を持つことに引っ張られるわけで、仕事でも、人間関係であっても、共通の興味は共感に繋がります。
さて本題、今日のお話は米国衣類メーカーであるパタゴニアとの事業提携とその後の定型解消の話です。モンベルもそうですが、パタゴニアの創業者も登山家イボン・シュイナード氏はヨセミテ渓谷を登攀した有名な登山家だそうで辰野氏とは山仲間として意気投合、そこからビジネスに繋がります。
一緒にカヤックを楽しんだ後、
心地よい波音を聞きながら商談を始めた。
ここの一節を呼んでも、商談に繋がる部分はまずは人間関係の構築、お互いに好意を持てる関係性は先に繋がる発展性を再認識できます。
飛び込み営業も実を結ぶことはありますが、大きな商談、文化が異なる国際的な関係性で人と人が繋がるにはまずは相手を知り、信頼できるが関係構築がひつようであり、どんな奴かわからないのにいきなり話を進めることは難しい、だから酒を酌み交わし、本音を語るところが大事である側面を否定できないわけです。←無駄な時間になる可能性もあるけれど(笑)。
更に進めて、本日の辰野氏談議で最も驚いたところは、パタゴニアの製品が売れ、売り上げが伸びる、その売上比率がモンベル全体の1/4に至り、本来は喜ぶはずである状況に対して、
私の中で釈然としない気持ちが芽生えた。
ここに経営理念との葛藤があったと推察します。その際生じた不安は、以下のように語られています。
自分たちが欲しいものを作り、
消費者から共感を得る喜びをモンベルブランドに重ねて
進めてきた我々のアイデンティティが薄らいでいくような…
ここには、企業理念はトップによって変わる、
今の販売権だって将来的な保証はないわけだし、
M&Aが一般的な米国ビジネスの怖さも分かっている、
辰野氏なりの経営判断はあったと推察できます。
ただ、その時の判断は並みの経営者ではできなかったように思います。
時を見て、辰野氏はパタゴニアの副社長さんに事業提携の解消を申し出ます。
→ 全体の売上比率1/4を占める提携先に事業解消を
それも売り上げが伸びる中で提案するなんて、
よほど企業理念がしっかりしていないと出来る行動ではないと思います。
ここにモンベルブランドの強さがあるように思いました。企業理念は売り上げを覆してでも守る、そんな強さを持って企業経営できる会社はさほど多くないように思います。こう言った会社はやっぱり潰れないと思いました。朝からちょっと感動モノのコラムを読んで、刺激を受けつつも、自分もこうありたいと思った次第です。
2024年11月15日 09:32
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