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終活の勧め、エンディングノート

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終活の勧め、エンディングノート
 
大学院での講義、生涯発達臨床心理学で『就活』を取り上げており、ご専門とされる方から高齢者救急の話を伺いました。なんと、大変驚いたこととして、東京23区では毎日24名以上の方が孤独死されていること、そして悲しい最後に遭遇される方が少なくないそうです。
 
その議論の中で話題に出てきたのが『エンディングノート』です。高齢になるとあれば望ましい、いろいろな意味で苦しまずに済む、それは本人であり家族であることを教えて頂きました。
 
小生も還暦を過ぎましたので、死ぬこともそれほど遠い未来ではなくなってきたので、真剣に講義を聴いていて、思いが変わってきました。

 そろそろエンディングノートを考えてみようか?

 
エンディングノートを書く意味はどこにあるのか、まずは自身が救急医療の段階にある場合から考えます。
 
仮にリアルな救急医療の場にお世話になったとして、現実的にはその時には意思表示はできないので、一般的なルールに従って処置が行われます。何らかの希望があるのであれば、そうなってからは手遅れになることが多いとされます。
 → 希望があっても言うことができないと言うことです。
   これをエンディングノートに記載、意志表示すると言うことです。
 
例えば、延命処置を受けたくないと希望していても、何らかの証拠がない限り延命処置は実行されます。家族がその旨伝えたとしても延命処理を停止するには、停止するに値する証拠が必要になり、証拠が無い場合は処置を辞めることができません。処置を辞めることは重要な判断となり、処置をする側の場当たり的な判断はできないわけです。
→ 判断を間違うと、処置を止めることが殺人罪に相当します。
 
その他にも死後に検体を希望した方は、その旨を書いておくと希望通りの配慮がなされます。
 
エンディングノートは救急医療の場で処置をされる人が自分の意見を言えなくなった状態で意思表示をするための大切な証拠になるとのことです。

死ぬ際にも、事前の準備がとても重要だと言うことです。

 
さて、エンディングノートはたくさんの商品が売られており、ランキング上位のものはかなり充実しています。
 
ハッピーライフ エンディングノート
 
いろいろな自治体でも無料配布されているようです。
 
エンディングノートを無料配布で入手する方法
 
無料でPDFダウンロードできるサイトがあります。
 
無料ダウンロードできるエンディングノート12
 
エンディングノート書く時期としては70歳まで、これ以降はいつなんどき問題が発生するかは分かりませんので、手遅れにならないように準備しておきたいと思います。
 
 
2022年12月07日 09:49

給与激減年齢を探る、民間給与実態統計調査から

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給与激減年齢を探る、民間給与実態統計調査から
 
いろいろと調査をしている中で、公開資料として面白いものがありましたのでご紹介します。
 
国税庁の調査結果です(令和2年)。
 
最近話題の定年後の給与水準ですが、この定年をどう設定するかで違った見解となり、給与の増減も人それぞれのようです。定年を役職定年としてみた場合、役職定年後に給与水準が大きく下がるとの話があります。給与が何処から下がるのかをマクロに調べてみると、55歳以降ではなく、60歳以降が変化点のようです。
 → 役職付きでない人もたくさんいるからと推察?
 → ただ、役職を離れても給与が下がらない人も一定数存在?
 
実は55歳以降では平均すると現状維持が大多数なようで、現段階でも給与が激減するのは60歳以降となるようです。
 → 会社役員以外はほぼ全員の給与が下がる臨界点が60歳
 → ただし、男女で傾向としての違いがある。
 
男女で違いを見てみるとその差は歴然、マクロに見ると(大多数の平均傾向)、女性は20代後半以降でほとんど給与は上がっていません。にもかかわらず、60歳以降で給与が激減とは言わないまでも、男性と同様にやっぱり下がっています。
 → 現状維持にならないのが不思議?
 
20代前半までは男女の差がほとんどないのに対して、20代後半から給与水準差が出てきます。その差は50代後半まで一定に広がっています。これはまだ昔(昭和の時代から続く)の働き方が大多数で、男女平等には進んでいる現状とは言え、実態はそう言えない、厳しい現実が令和の時代にも残っていることを示しています。
 
男女平等の道のりはまだまだ長い、そんな印象でこのデータを見ている次第です。理想と現実のギャップは、こういった調査結果(根拠に元づいた定量地)からも知ることができるわけで、大変貴重なデータだと思いました。
 
2022年12月01日 16:14

静かな退職、仕事は一生懸命にやるものじゃない?

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静かな退職、仕事は一生懸命にやるものじゃない?
 
11/9の日経新聞にあった記事です。
 
 静かな退職、表向きは社員、心はリタイア
 
なんと的確な現状分析でしょうか、今の日本に超適合です。日本人の多くがこの状態ではないでしょうか?
 
実際には会社を辞めるのではなく、席は温存、給料は半分になるので給料なりの働き方をする、そんな60歳以降のシニアの働き方だそうです。 → 心の中でこっそり退職しているさまです。
 
・昔のようにがむしゃらには働かない。
・勤務時間内の自身の仕事のみを淡々とこなす。
・自分のするべき仕事以外は一切しない。
・ライフワークと仕事を重ねない。
 
これを支持するのは60歳以降の再雇用組が主だと思いきや、そうではなくて、ミレニアム世代の若者とZ世代だそうです。
 
日本における『熱意ある社員』はわずか6%だそうで、世界的に見ても最下位グループにいるのが今の日本、生産性が低いのは当たり前で、仕事にやる気を持って臨む人は希少価値人間とも言われているようです(汗)。
 
実は、自分自身を顧みるに還暦を迎えた今の自分も『静かな退職』状態ですが、我々アラカン世代は『逃げ切り世代』といわれて、また別の存在でもあるようです。比較的まともに年金がもらえる最後の世代かもしれません?
 
ところで、次世代の方々よりましかもしれませんが、どう考えても年金だけで老後を過ごすことは不可能だと思います。年金手帳で送られてくる65歳以降の年金予想額は、半額近くになった60歳以降の給与手取りよりもさらに少なく額面でその半分程度、ここからの控除分を考えると、持ち家があればなんとか生活できる水準で、バラ色の老後はそこにはありません(涙)。
 
こう考えると、若い人が老後に我々以上に不安になることは至って当然、当たり前と言えます。

日本の未来、明るくないですよね(汗)!
 
 
2022年11月23日 15:20

結婚感の変化、この50年

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結婚の姿が変わってきたこの50年
 
11/19の東洋経済オンラインからです。記事のタイトルは、『社内恋愛は今や傍流?』でしたが、注目すべき論点はいくつもあったので、自身と息子のケースを比較して東洋経済のデータに書き込んでみたいと思います。
 
今急増のネット婚について、最新のデータである2019~2021年では、ネット婚:15.2%、この数字は見合い結婚:9.9%を上回り、見合い結婚の代替になっているとも考えられなくはありませんが、ネット婚は恋愛結婚なのか、お見合い結婚なのかがはっきりと区分けできないような印象です。
 → 好きになることで結婚するわけではなく相手の条件から入っていく印象なので、
   恋愛結婚とは言いにくい? 
   でもきっかけがネットで好きになるから結婚するのであれば恋愛結婚か?
 
ネット婚が恋愛であれば、恋愛結婚が9割となります。
 
小生の場合は恋愛結婚、大学のクラブ活動で一緒していたことが家内とのご縁、昔は優しかったですね(汗)。
 
息子はネット婚、静岡に就職して静岡の人とネットで知り合い、そのまま結婚することになりました。交際期間は1年程度と一般的な期間だったかと?
 
そして注目するこの記事のメインテーマ
 
見合い結婚と職場結婚を合算した婚姻数のマイナス分は約46万組、これが婚姻総数のマイナス分と完全に一致している事実です。
 
超驚き、これが無くなったことが結婚減の原因なんですね!
 
職場結婚は1990年代までは見合い結婚同様
 
「お膳立て婚」だった!
 
東洋経済記事の結論として、初婚数の激減は「お膳立て婚」の減少に帰結
 
つまり、お膳立てが無いと結婚出来ないのが日本人の特徴
多くの人がこれに該当していたと言うことです。
 
ここから更に考察を深めて、
 
何故、職場結婚が減ったのか?
 
これは簡単、今の会社の人間関係がそうだからです。
 

職場に恋愛感情を持ち込むな!

 

仕事は仕事と割り切れ
  (人事研修で言われたこと)
 → 職場に感情を持ち込むな!

 
そして、職場上司の結婚圧力はパワハラ扱い、
社員同士の恋愛はセクハラ扱いされるリスクがある!
 
これでは怖いことだらけで、恋愛なんてできません!
と言うことで、東洋経済の主張は
 
結婚したい若者を支援する「令和のお膳立て」を真剣に考えるべき時かもしれない?
 
なんとも寂しい時代になっていると感じているのは、小生だけなのでしょうか?
 
皆さんどう思いますか?
 
2022年11月22日 14:16

認知行動療法

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認知行動療法
 
 『認知行動療法』 を学ぶ機会がありました。
 
認知行動療法には大きく2つの学派があります。ひとつはアメリカの臨床心理学者Albert Ellis の提唱する『論理療法』からの流れで、心理学系、カウンセラー寄りです。
 
REBTRational emotive behavior therapy
心理的問題は、出来事そのものの影響ではなく、
その出来事をどのように受け取ったかという認知を媒介とし
論理的(rational)な思考が心理的に影響すると説いています。
 
出来事(A)、ビリーフ(Belief)、結果(Conclusion)のビリーフ(B)の
非合理的なIrrational Beliefを再構成するという、ABC理論を特徴としています。
 
筑波大学のカウンセリング心理学コースの創設者と言える國分康孝先生の師匠がAlbert Elis です。従って筑波大学の心理学はこの流れとも言えます。
 
その後にもうひとつの流れができました。受講した講義の根幹は、Aaron Beck が提唱する『認知療法』です。Beckの考え方は精神医療の流れであり、公認心理士や臨床心理士の治療はこちら側になります。
 
うつ病患者に特徴した精神的な治療方法として、悲観的な思考を持つことがあり、これを『認知の歪み』と捉え、修正する新たな治療的アプローチとして提案されました。
 
教科書的に言うと、
Albert Elisの『論理療法』とAaron Beck の『認知療法』を
総称して『認知行動療法』と定義されています。
CBT:Cognitive Behavior Therapy
 
大野先生系列の認知行動療法に関する詳細技法は下記サイトから拾うことができます。
 
こころのスキルアップ・トレーニング
 
日本では厚生労働省がまとめるマニュアルが完備されており、45分(30~50分)を16回(週一で16週)、定型フォームに基づき実施されているとのことです。国内にはこのスーパーバイズできるのはたった5名しかいないとのことです。
 
そういった多くの課題がある現状、CBTの普及はなかなか進みにくいようです。CBTを習得するには手間と時間がかかること、加えて教育コストが極めて高いこと、その割に診療ポイントが低いことが従来からの課題と言えます。

 
これら公開サイトから情報を拾って勉強できますが、とは言え、ある程度の慣れが必要とされます。
 
 
2022年08月23日 10:37

パーソナルモビリティ

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パーソナルモビリティ
 
今日の話は最先端技術を用いたこれからの製品について、その製品は 「パーソナルモビリティ」、昔の表現を使うと 「電動車椅子」 です。実は仕事の関係で知った製品なのですがその商品コンセプトが素晴らしい、感動モノです。是非、製造社のサイトを見て頂きたいです。下記サイトの開発者のストーリーはなかなかの読みごたえです。
 
WHILL / Persopnal Mobility
 
これからの高齢社会、すべての人がお世話になる製品では? そんな完成度の高い 「高齢化の移動手段」
タイプは2つあります。
 
WHILL Model F
273,000円(非課税) ← 税金がかかりません!
メーカー希望価格 ※送料調整費別
介護保険適応なし、歩道での走行可能/免許不要
障害者認定の方はレンタルもできるそうです(障害者等級によりますが、3,000円/月~)。
 
WHILL Model C2
近距離モビリティ|次世代型電動車椅子
※免許不要/歩道での走行可能
購入:487,000円(非課税) ← 税金がかかりません!
レンタル:月額14,800円(非課税)
 
昨日(7/29)、仕事を定時に早々に終えて試乗ができる有楽町のビッグカメラ(都内でもここ限定の展示のようです)まで足を運びました。細々と商品を見ていると定員さんが、
 
『試乗しますか?』 → 『勿論!』
 
と言うことで、どちらのモデルにも試乗させていただきました。乗り心地の良さはほんと感動モノで、電動で16km(公称:20km)の走行が可能です。
高級感があるタイプが C2
コンパクトに折りたためて使い勝手の良い F
 
少し前だったら、おそらく100万円では買えなかった製品だと思います。そのくらい完成度が高いです。これからの時代に人を幸福に導く製品コンセプトとはこういった視点からの製品開発が必要だと思います。来週にはこの製品の開発担当の方とお話しできることになっており、大変楽しみにしています!
 
2022年07月30日 10:54

仕事人生が70歳まで

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仕事人生70歳まで、仕事を見切る時期は遅くなる
 
7/21 の 朝のNHKニュース でちょっと気になる特集がありました。
 
50代活躍を
 
査定の低い50代(課長以上になれなかった人)の活用が会社経営の課題として具体化しているそうです。出世できないものの大手の入る方は総じて優秀な場合が多いようで、65歳までの働く期間を考えると50歳で15年もあり、この期間を安易に会社にぶら下がってしまうと、本人にとっても、会社にとっても不幸なことです。ニュースで取り上げられている会社はNTT_Communications、50代社員の活用が進んでいる実態が紹介されています。

<記事より抜粋すると>
大手通信会社のNTTコミュニケーションズ、約6000人の社員のうち、
50代以上の社員が3分の1にあたる約2000人を占めているそうです。

2025年には50代以上の社員が半数を超え、
2030年には6割を超えると想定されているようです。
 → 若手に任せると簡単には言えない現実
 
自身はあと2週間で60歳なので直接的には関係ないのですが、職場の高年齢化は他人ごとではありません。そもそも55歳で管理職を外される役職定年を経験すると、それ以降たいした仕事がなくなってしまうのが日本の企業における就労実態、役員になれれば問題ありませんがそうそう役員になれるものではありません。
 
やる気を持って50代を乗り切れるか、これは意外に難しいことかもしれません?

お荷物になりたくてお荷物になったわけではないのですが、そもそも会社の居場所がなくなり、必然的にやる気がなくなるのが自然な流れのように思います。そろそろ過去の就労パターンから脱皮する必要がある、さもなくば日本の国としての競争力は世界的に下降線をたどり続けて、気が付いた時期には手遅れになってしまうかもしれません。

長きに渡る会社人生、これからはさらに長期スパンで考えなければなりません!


 
 
2022年07月23日 09:32

採用活動の成果は意外なタイミングで分かる?

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採用活動の成果は意外なタイミングで分かる?
 
先週末(7/16)の話です。2022年度新卒の配属に関わる通達が出ており、今年の新卒採用は自身が出向前の部署で採用に関わった年でもあり、興味半分で名簿を眺めていると 「おや?」 と 目を疑った瞬間、
 
 彼女、入社していたんだ…
 
思いがけない学生が自身の採用活動で入社していることを知り、嬉しいような、驚きのような、そんな気分になりました。理系女子「リケジョ」の採用は例年かなり苦戦しており、情報系学生はほぼ採用に至らず、特に苦戦していました。リケジョは生物系が多く、製造業の採用としてそうたくさんは採れません。そんなこともあり「LabBase」と言うサイトで400件以上の学生にコンタクト、その6割以上が女子学生でした(男子学生の採用はそのついでに実施!)。
 
そんな中で知り合ったのが印象深き彼女でした。彼女は最高学府の大学院情報系の女学生で、切れ味鋭い対応でめちゃくちゃ記憶に残るだけでなく、せっかく苦労して確保した8月のインターンシップエントリーを忘却、そんな彼女に12月のインターンシップにも再度エントリーしてもらい、今回はエントリーを忘れないようにリマインドメールも打ち、どうせ来ないだろうとは思いつつも、かなりの時間を費やしました。
 
 結果、インターンシップには参加してくれました。
 
インターンシップ(2日コース)を年2回開催しており、そこの学生集めは毎年それなりに苦戦していたのですが、コロナ禍でネットでの活動が主になるとこれまでにない変化が訪れました。学生側も危機感からか、参加率が急に上がったことと、ネット経由の早期コンタクトは学生諸子に好印象だったようで、インターンシップの競争率は一挙に5倍程度にまで膨らみ、(例年は競争率:1.2倍程度?)それがこちらが学生を選べる程に好条件に変化しました。
 
そんな中でもリケジョは貴重な存在ですが、彼女は無条件でダントツに優秀でした。どこの会社に行っても恐らく内定を採れる、そんな感じがした超切れ者で記憶に残る人でした。 → 女子学生の方に優秀感がある?
 
2022年度新卒の採用活動は2020年6月頃から開始、8月と12月にインターンシップを開催して、顔見知りになったところから随時採用面接に導き、採用面接の解禁日は3月1日、面接を通過した学生から「内々定(実質的には内定)」を出します。本来なら、採用面接にあたるはずだった小生でしたが、その年の4月1日付けで異動、種まきだけさせられて身を採る時には異動、会社は何とむごいことをするんだろうと恨み節でその彼女の採用面接に関わることなく、後のことは分からずじまいでした。
 
 彼女の何がそうさせたのか?

全くの謎ですが、出向して1年と3カ月、2年以上前の自身の採用活動が実を結んだ瞬間ですが、当時のコメントを見ると、
 
 志望度低い、おそらく来ない?
 
成果は意外なタイミングで意外な形で現れる、そんな面白おかしい、うれしさもある体験をした。頑張ってみるものだと再認識した次第です(笑)。
 
 彼女の前途に良き人生が続きますように…
 
 
2022年07月19日 21:52

科学技術は人間を本当に幸せにしているのか?

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科学技術は人間を本当に幸せにしているのか?
 
還暦を前にして大学院でいろいろと議論する機会が増え、我が人生を振り返る時、修論のテーマを何にするか?最近よく考えさせられることを書こうと思いました。
大学を卒業以降、技術者として科学技術の発展に貢献すべく、35年の長きに渡る期間を研究開発・製品製造、その環境安全・エネルギー施策に関わってきました。
科学技術の発展は豊かな人間社会の便益に繋がるべきもので、18世紀に始まる産業革命から現在に至る進歩はヒトへの好ましい貢献は多いものの、日本では1970年代の公害問題に始まり、現状に至る地球温暖化、廃棄物問題、生態系の変容等、想定外の問題も誘発されており、必ずしも良い側面だけではない科学技術の進歩の異なる一面を見ることができます。
 
太陽光発電を具体例として取り上げて考察してみます。太陽光発電はシリコンが半導体であり、光エネルギーを電気エネルギーに変換できる物性的特徴に着目して、発電自体にはCO2排出もなく、環境に優しい電気エネルギー源として現状最も有効な再生可能エネルギーとして活用されています。
 
実用化に際しては、1973年の第1次オイルショックを契機に、環境問題を包括したエネルギー問題への対処を目指して、1974年の『サンシャイン計画』として始まりました。1993年からはムーンライト計画(地球環境技術開発計画)と地球環境技術開発計画を統合したニューサンシャイン計画として取り組まれ、2022年の現状においても国策としてプロジェクトが継続されています。
 
太陽光発電はそのコアとなる発電技術として展開されており、2020年の全発電量に対する再生可能エネルギー比率は19.8%、太陽光発電比率は7.9%を占めています。太陽光発電は今や日本だけではなく、世界中で必須とされる発電技術となり、人類の生活にはなくてはならないものになっています。
 
とは言え、近年においては負の側面が現れてきており、環境問題としては生産過程におけるCO2排出や廃棄物問題、行政的な問題ではFIT制度を逆手に取った法令違反、そして特に近年問題になっている景観破壊は単に環境問題だけではない、これまでになかった人の心理的側面からの課題も包括しています。エネルギー供給の側面からは、太陽光発電は人のWell-beingな側面に貢献していると思いますが、実用化の段階でMal-beingな側面を多面的に醸し出していることが最近気になるところです。
 
→ ここが環境心理学への興味に繋がっているわけです。
 
日照率日本一の山梨県北杜市における太陽光発電パネルの景観破壊の問題を具体例とし取り上げます。この問題に関しては、多くの論文が執筆されており、
社会的ジレンマの事例としても問題提起出来ると思います。
 
例えば、
 中嶋明洋、「太陽光発電によるトラブル発生のメカニズムと解決の方向性:専門業者の視点から」地域生活学研究 第6号(2015)pp.61-70
 鈴木晃志郎、「景観紛争の科学で読み解く太陽光発電施設雄の立地問題」地域生活学研究 第7号(2016)pp.84-94
 吉永明弘、「太陽光発電施設の問題を環境倫理学から読み解く」地域生活学研究 第7号(2016)pp.77-83
 
太陽光発電は、2009年11月から開始された国の補助金制度を活用した普及施策(FIT:再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)で進展し、その結果として発生した問題は、法制度が不十分なまま建設が進んだ2015年頃から公のものとなり(中島明洋、2015)、翌年以降で顕著になったと思われます(鈴木晃志郎、2016)。現在も負の側面として継続的に論争が続いている。
 
対極にある顕著な事例として地熱発電の開発の遅れがあります。世界第3位の地熱源を有する日本においては、地熱発電の立地条件が整っているにもかかわらずその普及は大きく遅れています。その理由の一つに地元や環境関係者との合意形成が困難であることがあげられており(生田目、2018)、発電所の立地推進者との対立の構図には心理的障壁の存在を感じさせられます。

 生田目修志、「NEDOにおける地熱発電所立地早期化に向けた技術開発について」地熱技術Vol.43(2018), Nos1&2, pp.37-44

こういった背景から、技術進歩を妨げる人の心理状態に寄り添う
環境デザインとして『エコロジカル・ランドスケープ』
と言った概念も具体化されています(小川総一郎、2018)。
 
 小川総一郎、「エコロジカル・ランドスケープ概念」建設機械施工Vol.70 No.3March 2018 pp.26-31
 
今後の科学進歩に対しては、心理的視点からの考察無くしては進捗が期待できない状況が生じる場合が多くなると推察します。
 
2022年07月10日 11:43

上司は部下の鏡たれ!

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上司は部下の鏡たれ!
 
今日(6/21)の日経新聞、私の履歴書は正直言って感動しました。久しぶりに朝から快感と言うか、仕事は『仕事の本質に取り組む真の気持ち』が大切と言うことです。
 
今朝のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』でも、昔の悪い日本企業(上司との関係性)の典型が描かれていましたが、まさにこの視点は今なお残る日本企業のネックかもしれません?それは組織がそのトップの考え方で変わる、そう実感しました。
 → 若い人の言葉をしっかり受け止める、これも大事!
 
話しを戻して今朝の日経新聞、住友林業最高顧問の矢野龍さんの話しです。今ではビジネス順調の住林住宅部門の立て直しについてです。木材ビジネスを軌道に乗せた住友林業はその派生事業として、一般住宅ビジネスにも手を広げましたが、あまり評判が良くなかったようで、新聞に手痛く酷評されます。その体たらくの根源は現場の問題として具現化していたのですが、その背景に部門のトップのかかわり方があったようです。
 
リーダーシップ不足
 
専務だった矢野さんが取締役会で立て直しを提案すると、直ぐに住宅本部長の辞令が出たそうです。
 → この判断も会社として素晴らしい!
   だから住友林業の今がある、そんな感想ですね。
 
そしてどこの会社でもあると思います(?)が、社内の過度な忖度、現場社員の目線が顧客ではなく上司に向いてしまい、社内政治に奔走する組織の体たらくがそこにあります。
 → こうなると組織は腐敗します。
 
本部長が来たら夜の宴席、観光、帰りのお土産現場の視察は観光に行くための理由付けでしかなく、会社の機能はどんどん損なわれます(腐敗する?)。
 
自身の経験においても、こんな現場を見たことがあります。本部長が来ると取り巻きの子会社役員クラスが一般社員との会話を遮り、何を言ってもやたらニヤニヤ(いつも怒鳴ってばかりの馬鹿な役員が)、夜は宴席、何で会社はこうなるんだろうと思ったことは幾度かありました。そういった職場(事業部)は早々に衰退、でもその管轄役員は次の部署に行って、また次の部署を衰退させてしまう悪循環に入ります。
 → 会社は基本出世したもの勝ち、
   ぺいぺいはなんともしようがない(苦笑)
   → であれば、出世しないといけない(さらに苦笑)
 
ただ、そんな自身の経験の中に、住林の矢野さんのような方がおられました。もう定年され会社を去られていますが、その方が現場を回ってくれたことで猛烈に仕事のやる気を誘発される、40代の自分が猛烈に仕事をしたのはその方がおられてからと言っても過言ではない、そんな心から尊敬できる方でした。
 
その方は常務取締役になっても現場を回られました。それも驚くことに予告をせずに世界中の現場に行かれて、そこの部長連中と話をするのではなく、好んで現場社員と話をしてくれました。
 → こんな役員、これまでにお会いしたことが無かった!
 
現場を根本から良くしたいと言う気持ちがひしひしと伝わる、それが快感でした(笑)。やる気を駆り立てられました。
 
話しを再度戻しますが、『住林の家』が、何故ある時期こんなに良くなったのか? 実に不思議に思う時期がありましたが、こう言った背景があったことを知り、非常に納得した次第です。
 
上司は部下の鏡たれ!
 
役職に就いた人は偉くなったのではなく、重要な役割を担っただけであることを認識し、その役割を最大限まっとうしなければならないことを認識する、そしてその責務を全身全霊で遂行する、これを徹底頂きたいと常日頃思っています。
 
役員になると偉くなった、そう錯覚する方が意外に多い? そうじゃないのだよ、接待されるために役員になったわけではないのだよ、そこは誤解のないようにしていただきたいですよね!
 → 出世できなかった定年前一般社員のボヤキです(笑)!


 
 
2022年06月21日 09:31