リテンションマネージメント
今日(10/12)の日経新聞 『今を読み解く』 からです.
人手不足時代の企業人事
変化受け入れる柔軟思考を → 働き方も変わる
そもそもリテンション(Retention)は経営学(マーケティング)用語では,『既存顧客維持』としてなじみ深く,新規顧客の獲得に対し,既存顧客との関係を維持することは事業拡張には必達事項です.新規顧客の獲得は既存顧客を維持するよりも難しいと言われていますが,最近はそうでもなくなっており,既存顧客を新規顧客以上に喪失してしまうとその企業は破綻します.
英和辞典を引くと
保留、保有、保持、維持、保持力、記憶(力)、分泌閉止
人事でいうリテンションは,企業にとっての離職抑制,優秀な社員を辞めさせない様々な施策のことを意味するようで,最近ではリテンション戦略、リテンションマネジメントと言われています.
特に注目されている昨今の課題は,若手社員の早期退職抑制です.
→ 中高年はその対象ではない(涙)?
離職率が上がると,それまでに社員に投資した教育費や諸経費が全くの無駄になるばかりか,不平不満をSNSにばらまかれてしまい,会社の評判も下がってしまいます.
→ 機会があれば,の転職サイトでの自分の会社口コミを読んでみると面白いですよ.
書かれている内容,結構当たっています.会社にいると本音は言えませんので,
実際に社員がどう思っているか,見えなかった会社の実態が見えることもあります!
最近注目のリファラル採用は,社員による採用仲介で,社員の満足度が低い場合には機能しない制度です.
→ 社員に不満があれば,友人を引っ張らないし,
辞めてしまいたい会社に何かしてあげようとは思わないので!
よく聞く言葉に,
『募集をかけてもいい人が集まらない.』
『採用してもすぐに辞めてしまうので困っています.』
そんな発言が出ている場合は,自身の会社に問題がある可能性が高く,その問題点を拾い集めて対処する必要があります.
でも,案外それができていない会社が多いような印象です.
リテンション戦略には何が必要か?
→ 労働者に気持ちよく働いてもらえる環境づくりが必須!
給料を払っているから文句を言わずに働け! では,もはや社員がついてこないことも認識しておく必要があります.全てがお金で解決できるわけではない時代になっています.でも,人事部のトップがそんな大事なことに気付かない場合も多く,会社における人事組織や制度は,会社の根幹的部分でもあり,人材配置を間違うと致命的な結果を導きます.
人事を科学しなければ時代だとも言えます.
→ 『日本の人事を科学する』 大湾英雄著
日経新聞でも紹介されていた,読む価値がある1冊です!
2019年10月12日 10:57