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世界標準の経営理論

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感動の1冊,世界標準の経営理論
 (入山章栄著/ダイヤモンド社)

 
世界初,経営学理論体系をまとめたバイブルと言えるように思いました!
 
手にしてみるとその重みと厚み,そして内容に圧倒される書籍です.
この書籍は凄いです! 筆者の「世界初」発言は過大ではない?
 
今まで経営学における理論体系をパートごとに抜き出したものはありました.
 
お勧めは戦略論におけるミンツバーグ(Henry Mintzberg
「戦略サファリ」(第2版訳が2012年12月21日 に発売されています)
  → 結構しっかり読み込みました!

 → 理論体系からの説明になっていないこと,
   加えて,理論とフレームワークの混在があり,
   学問分野の根幹をなす部分かrの体系的な説明ができていない?


入山氏の書籍は Mintzbergを越えている と思います.


ポイントは 「理論」 と 「現象」 の厳格な識別にあります.
現象は Why には答えてくれませんが,理論派普遍性があり,
応用範囲が広くなると説明されています.
 
 現象ドリブン → 無数に存在(限定部分のみを説明)
 
 理論ドリブン → 標準理論は30程度(根幹の説明に繋がる)

  理論 → 現象の思考軸 で経営学を学ぶことが効率的であるとの主張です.

 
併せて,理論の根幹は3つ
 → 経済学,心理学,社会学(これらにはマクロとミクロな視点がある)
 
最近読むことが多くなったキャリア理論の捉え方として,
根幹は心理学にあり,社会学の理論を重ねているので,
経営学に比較すると経済学の根幹が薄い(?),

そう捉えると学問体系の繋がりと広がりを理解できるように思いました.

 
ビジネスパーソン,企業経営者,そして経営学を学ぶ学生
そして経営学の研究者も本書籍は読む価値大いにあります.

実は,経営学とは関連のないキャリア理論を学ぶ方にも
有益な示唆があると思いました(→ マクロ・ミクロ心理学).

 


 
2020年05月16日 20:08

新版 キャリアの心理学【第2版】

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新版 キャリアの心理学【第2版】
―キャリア支援への発達的アプローチ―
   (渡辺三枝子著/ナカニシヤ出版)
 
筑波大学名誉教授渡辺三枝子氏の代表著書であり,キャリコンテキストのコンテンツとして利用されてきた本書が,2018年に改定されました.従来のキャリアコンサルタントに関わる理論が再整理されています.
 
キャリコンでさらに上を目指し知識レベルを上げたい方,これからキャリコンを目指される方,産業カウンセラーを目指す方にたいへん有意義な書籍だと思います.
 
キャリア理論を代表する9人の理論化が紹介されています.これはJCDA(日本キャリア開発機構)の認定する国家資格キャリアコンサルタントの養成講座テキストに登場する理論家であり,キャリア支援に関わるものであれば知っておく必要がある理論の集大成と言えます.
 
第2章 Donald E. Super(筑波大学岡田昌毅教授の執筆,Life Career Rainbow)
第3章 John L. Holland(VIP職業興味検査, 特性因子論者ではない)
第4章 Mark L. Savickas(2007年改定から加わる, Career Construction Theory)
第5章 Harry b. Gelatt(キャリコンのテキストには登場しない, decision-making)
第6章 John D. Krumboltz(Planner Happenstance → Happenstance Learning Theory)
第7章 Edgar H. Schein(組織心理学 → Career anchors)
第8章 Douglas T. Hall(relational approach → protean career)
第9章 Nancy K. Schlossberg(Superの弟子, Transition Work)
第10章 Sunny Hansen(ILP: Integrative Life Planning )

良く整理されている良書と言えます!

 
 
2020年05月08日 19:44

大学図鑑 2021 有名大学83校のすべてがわかる!

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大学図鑑! 2021 有名大学83校のすべてがわかる!
(オバタカズユキ著/ダイヤモンド社)
 
4年ぶりに3冊目を購入,忖度無しの大学評価は創刊から22冊目に!
 
何故3冊も購入したかと言えば,
 
1冊目(2012年版) → 息子の大学受験に際して
2冊目(2016年版) → 娘の大学受験に際して
3冊目(2021年版) → 自身の仕事で必要(大学情報の整理)
 
取り上げる対象が79大学(2012年)から81大学(2016年),今回は83大学になり,少しずつ増えています.希望としては,関西の女子大(奈良女,京女,同女,神戸女学院,武庫女)を入れていただきたいと思いました.→ 奈良女は近々無くなりますが...
 
巻頭のページは毎巻変わっているようで,今回の22冊目は入試改革(推薦入試比率の増加),大学選びのポイント(偏差値ピラミッド以外の視点)各大学の偏差値比較(それでも無視できない!)が詳細に述べられています.直近の大学事情を頭に入れるうえでとても参考になります.
 
過去の本書と読み比べてみて思うに,大学の事情一つとっても大きく変化していることが分かります.
 
 
2020年04月11日 14:39

トップ企業の人材育成力  ヒトは「育てる」のか「育つ」のか

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トップ企業の人材育成力  ヒトは「育てる」のか「育つ」のか
(北野唯我他著/さくら舎)
 
組織の強さは人の強さ,その核にあるのが人事戦略
 
人事は有機的で不可逆的なものであり,いったん壊れると元には戻らないとの北野氏のコメントは全く同感です.では,人事を壊さないようにと資本(人・モノ・カネ)注入すればいいのに,何故できないか? これは人事戦略の成果が数字に表れにくいからだと,予算の削除の憂き目にあうのはこういった数字に表れにくい活動なんですね!
 
では,トップ企業がどういった人事戦略,特に採用に関わるところの説明はとても参考になります.採用担当者が心がけるべき点も書かれており,その成功事例も紹介されています.→ IJC から IJAIC へ
 
Introduce(会社紹介や社員紹介)
Judgment(自社とのマッチングを判断する機能)
Attract(自社の効果的魅力付け)
Impact(採用候補者の自社との出会いを最大化)
Coordinate(採用候補者の応募から入社までの適切なフロー)

 → A & I の付加が必達になる昨今です!
 
会社を強くする人事戦略の肝が述べられているように思います.
 
 
2020年03月11日 22:04

『死んだ魚の目』 をして働いていた過去の自分を振り返る!

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最軽量のマネジメント(山田理著 /サイボウズ株式会社)
 
終始本音で綴られている会社の過去と,その後のあるべき姿
 
書かれている内容があまりにも面白の出すぐに読み切れると思います.実に赤裸々です.だから読んでいてとても面白いわけです!
 
『この話,あるある!』 みたいな話しが頻繁に出てきます!
 
特に興味深かったところは,日本興業銀行を退職する当たりの話,筆者は自分のことを
 
 『死んだ魚の目』 をして働いていたのです,と...
   → ザ・日本の大企業での典型的な組織の憂鬱を思い知った,
 
大手に入れば安泰,実はそんなことは無いのです.お金のためだけに自分を殺して働き続けることは意外に難しいのです! 自分の存在価値が見えなくなるのです.自分なんていてもいなくても同じ,でも給料はもらえるし,社会的なステータスも高いのでその状態を続けている.
 → でも,この働き方は本当に良い働き方と言えるのか?
 
この部分は本当に共感できます.仕事に悩めるサラリーマンに是非読んでいただきたい, そう思います!
 
2019年12月06日 06:58

ゼロからつくるビジネスモデル: 新しい価値を生み出す技術

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ゼロからつくるビジネスモデル: 新しい価値を生み出す技術
(井上達彦著 /東洋経済新報社)
 
500ページに及ぶ大作,ビジネスモデルが持つ学術的意味を分かり易く解説!
 
  手に取った瞬間の正直な感想が, 『凄い!』 の一言でした.
 
単なる大学講義の教科書ではなく,読み手を飽きさせない構成になっています.写真あり,表あり,図面あり,イラストあり,クイズ形式の問いかけもあるので,読み手をワクワクさせます.読みやすさに対しての配慮はさすがです,よく考えられた企画構成になっています.加えて,読みやすさだけではない本書内容の深さにも驚きを隠せません.ビジネスモデルをどう捉えるべきなのか,広く? 狭く? 学術的な価値を持たせるために一般化すべきビジネスモデルは狭義に捉えるべきではない,ということが答えだったように思いました.つまり,収益をあげるためだけのビジネスモデルでは拡張性が生まれないということでしょう!
 
 → 読んでみて,こんな本を書いてみたいと思いますね!(勿論,書けませんが)
 
取り上げているテーマは 『ビジネスモデル』 ,これを4部構成で分かり易く,読み手にやさしく解説しています.各々の部分には具体的な事例が取りあげられています.
 
最初に基礎編,ビジネスモデルとは何かを具体例を交えつつ解説しています.
→ スノーピークの事例はとても面白い(儲け優先ではない商品企画とその挑戦)!
→ 経営理念の大切さ(スノーピークの経営理念は人間性の回復)
 
次に具体的な発想の作り方に進みます.
→ 事例に取り上げられるKUMONの学習療法は筆者の深く知るところでしょうか.
→ 創造的模倣(お手本)の在り様から具体的な発想に繋げる説明です.
→ 逆転の発想ではプロレスのドラゴンゲートを事例として紹介,この事例も斬新!
 
そして実践編,分析・発想・試作・検証(従来からあるPDCAサイクルとの対比)の説明が入ります.
→ 事例にはランドセルの ziba tokyo の話が出ています.
 
最後にビジネスモデルの発展的学習,好循環の仕組みを将棋AIのHEROZを事例にあげて紹介しています.ここにはポケモンとの共同開発があったそうで,ゲームをやらない小生にはこの点にも斬新さを感じました.更にこれが金融,建設業界にも進展,AIの活用先を拡張する仕組みをニーズの深堀として『深さ』と表現しています.このような拡張は『知の探索』と,好循環によって価値創造が進むことの『知の深化』と表し,この両輪で成り立っているとのことです.ビジネスモデルを好循環にする仕組みが分かり易く説明されています.
 
経営学における事業創造が科学者的発想か,芸術家としての発想からか,この問いかけも斬新でした(考えたことが無かったので).個人的にはこの部分の考察が一番面白く感じました.
 → であれば,でき上がった事業の継続にその概念が無いような場合どうなるのだろう?
 → 大手企業での安定を求める状態,大企業病はこういったスピリッツの欠如から生まれるのか?
 → パーソナリティ分析のホランドモデルとの対比ができる? いろいろと考えたくなりますね!
 
内容が深い専門書ですが,読み物としても楽しめる企画に仕上がっています.読むべき対象は,経営学を学ぼうと考えている学生でしょうが,社会人で事業創造を考える方にも役立つと思います.とは言え,500ページを超える力作ですので,読み切るにはそれなりの時間と努力は必要ですね(汗)!
 
 
2019年11月30日 07:28

新刊出ます! → 11月22日発売

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<2019年10月23日リリース,11月22日発刊>

 Amazon 電子書籍
   https://www.amazon.co.jp/dp/B081SQH31M/

 
Amazon POD(紙版書籍)
  https://www.amazon.co.jp/dp/B07ZWBGCBL/

モノづくり技術者は田舎暮らしで 2,000万円貯まる!

都会でぎりぎりの生活をしているあなたへ
 
物価は都会が高くて田舎が安い、できれば物価の安い田舎で暮らしたいけれど、田舎には仕事がないので難しい、そんな風に考えていませんか? それは単なる思い込みであって、知恵を働かせることで物価の安い地方に住んで高い給与水準を得ることは可能です。そんな生き方がモノづくり技術者であれば可能になります。
 
東京都内にある会社に勤めると、都内に位置する事務所や工場で働かなくてはならない、そんな風に思っている方が多いようです。でも、全国区の会社は東京やその他都心部に本社を構えつつ地方で生産活動をやっている場合が多いのです。全国区の会社(大手の部類に入りますが、必ずしも東証1部上場の人気企業だけとは限りません)は首都圏か関西もしくは中部に事務所を置いているので給与水準は都心部水準でありつつも、転勤で地方の工場に勤める場合が多々あります。この場合、地方に住んだからと言って給与水準が地方水準に下がることはありません。このような視点から仕事を選ぶと、単なる給与水準の高低差だけで考えるよりも金銭的な余裕が生まれます。ここで言った余裕がある生活は、生涯賃金に換算するとそれなりに大きな額になり、居住先にも依りますが、数千万円のお金を節約することに繋がるのです。
 
転職でも、新卒就職でも、会社の実態をよく研究して、同じ給与水準でも余裕を持った生活ができる術があることを本書から読み取ってもらえれば幸いです。
2019年10月24日 18:11

リテンションマネージメント

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人事管理のリテンション(離職抑制)
 
今日(10/12)の日経新聞 『今を読み解く』 からです.
 
 人手不足時代の企業人事
  変化受け入れる柔軟思考を → 働き方も変わる
 
そもそもリテンション(Retention)は経営学(マーケティング)用語では,『既存顧客維持』としてなじみ深く,新規顧客の獲得に対し,既存顧客との関係を維持することは事業拡張には必達事項です.新規顧客の獲得は既存顧客を維持するよりも難しいと言われていますが,最近はそうでもなくなっており,既存顧客を新規顧客以上に喪失してしまうとその企業は破綻します.
 
英和辞典を引くと
保留、保有、保持、維持、保持力、記憶(力)、分泌閉止
 
人事でいうリテンションは,企業にとっての離職抑制,優秀な社員を辞めさせない様々な施策のことを意味するようで,最近ではリテンション戦略、リテンションマネジメントと言われています.
 
特に注目されている昨今の課題は,若手社員の早期退職抑制です.
 → 中高年はその対象ではない(涙)?
 
離職率が上がると,それまでに社員に投資した教育費や諸経費が全くの無駄になるばかりか,不平不満をSNSにばらまかれてしまい,会社の評判も下がってしまいます.
 → 機会があれば,の転職サイトでの自分の会社口コミを読んでみると面白いですよ.
   書かれている内容,結構当たっています.会社にいると本音は言えませんので,
   実際に社員がどう思っているか,見えなかった会社の実態が見えることもあります!
 
最近注目のリファラル採用は,社員による採用仲介で,社員の満足度が低い場合には機能しない制度です.
 → 社員に不満があれば,友人を引っ張らないし,
   辞めてしまいたい会社に何かしてあげようとは思わないので!
 
よく聞く言葉に,
 
 『募集をかけてもいい人が集まらない.』
 
 『採用してもすぐに辞めてしまうので困っています.』
 
そんな発言が出ている場合は,自身の会社に問題がある可能性が高く,その問題点を拾い集めて対処する必要があります.
でも,案外それができていない会社が多いような印象です.
 
リテンション戦略には何が必要か?
 → 労働者に気持ちよく働いてもらえる環境づくりが必須!
 
給料を払っているから文句を言わずに働け! では,もはや社員がついてこないことも認識しておく必要があります.全てがお金で解決できるわけではない時代になっています.でも,人事部のトップがそんな大事なことに気付かない場合も多く,会社における人事組織や制度は,会社の根幹的部分でもあり,人材配置を間違うと致命的な結果を導きます.
 
人事を科学しなければ時代だとも言えます.
 → 『日本の人事を科学する』 大湾英雄著
    日経新聞でも紹介されていた,読む価値がある1冊です!

 
 
2019年10月12日 10:57

ようやく新刊を脱稿,近く最新刊(9冊目)が出ます!

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ようやく新刊を脱稿,近く最新刊(9冊目)が出ます!

 原稿を書き終えたのが7月中旬でしたが,修正がいろいろと入り,
 出版元の まんがびと サンにはご迷惑をおかけしました.

何とか最終稿にたどり着いたのが8月10日,今回が9冊目の電子書籍になります!
昨年春から10冊を目標にやってきたので,あと1冊のところまで来ました.

今回の最新刊タイトル,

 『 転職できて元気になる人、ならない人  転職できずに心病む人、病まない人

 仕事に取り組む心理面から,転職した方が良い場合とそうでない場合,
 転職しなくても気持ちを切り替えることができる場合とできない場合について

 『天職(自身が真に目指すべき仕事)』 の有無から考えてみました.

 自分はいったい何がしたいのか? この点を自身の問題提起の中から考えた結果でもあります.
 是非,ご一読いただければ幸いです.

9月13日 発刊予定です!
2019年08月13日 10:57

血族の王: 松下幸之助とナショナルの世紀

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血族の王: 松下幸之助とナショナルの世紀
 (岩瀬達哉著 / 新潮文庫)
 
これまでの書籍とは異なる幸之助の人間臭さを体感できる!
 
今まで読んだ数々の松下幸之助関連書籍とは異なる視点からの切込みで,
幸之助翁の負の部分にも焦点を当てています.斬新さを感じました.
表題にパナソニックではなくナショナルを用いたことからも,
筆者の意図が伺えます.
 
この書籍執筆の特徴は松下電器やPHP研究所の資料に頼らず,
筆者自らの調査記録に基づく幸之助翁の記録をまとめているところです.
松下関係部門に協力を仰ぐと,出身母体の影響から真実が美化されるからです.
筆者は,真実がきれいごとばかりではないことを述べたかったようです.
 
特に注目して読み進めるところが,
 
 ・義弟,井植敏男の独立(三洋電機設立)時の人間模様
 ・PHP 設立までの晩年期においても,激しく経営に固執した事実
  → 娘婿正治と山下俊彦社長との確執
 ・東京妻(30歳年下)の存在を明記
  → 義弟井植敏男にも第二夫人がいた事実(成功者の証)
 ・孫である松下正幸への家督相続への執念
 
美化されがちの著名人の伝記には,泥臭さ,人間臭い真実が表現されにくく,
どんな偉人であっても神様ではない,ヒトとしての裏側があることを本書から知ることができます.
経営の神様と言われた幸之助翁の真のイメージを再構築することができ,
これまでの幸之助伝説とは違った視点からパナソニックの歴史を顧みることができます.
 
幸之助観を改めさせる(良い悪いの両面から),素晴らしい書籍だと思います!
 
 
2019年07月04日 19:51